分析事例

GPC-MALSによる分岐ポリブタジエン解析

GPC-MALS測定により、試料の絶対分子量(Mw)と平均二乗半径(RMS半径)を求めることが出来ます。また、それらの値から分岐の程度を表す分岐パラメーター(g値)を求めることが出来ます。分岐点数の異なる2種類の分岐ポリブタジエンのg値を比較した事例をご紹介します。

分析試料

分岐ポリブタジエン:Polymersource社製

分析試料

分析方法

0.3%のTHF溶液を調製し、GPC-MALS測定を行いました。GPC装置は東ソー製HLC-8330GPC、MALSはWyattTechnology製DAWN HELEOSを用いました。

結果

GPC-MALS測定の結果、得られた各測定点のMw、RMS半径の対数をプロットしたグラフを図1に示します。較正曲線作成用のポリブタジエンを数点測定し、線状試料のデータとしました。分岐試料はいずれも線状試料よりも小さいRMS半径を有していました。

図1

同じMwにおける線状試料と分岐試料のRMS半径の二乗の比をとれば、分岐の指標である分岐パラメーターg値を求めることができます(次式)。

式

g値は0~1の範囲の値をとり、線状試料では、1になります。分岐試料では、分岐の箇所が増えるごとにg値は小さくなります。

図1より、各Mwにおけるg値を求め、Mwに対してプロットしました。

式

分岐の多い試料(8arm-polybutadiene)のg値は、分岐の少ない試料(6arm-polybutadiene)のg値よりも小さく、妥当な結果が得られました。