分析事例

TG-DTAによるカーボンブラックおよびグラファイトの定量

発泡性高分子材料は高い断熱性を有しており、建築材料や工業材料として用いられています。それらの材料には黒色顔料としてカーボンブラックを、断熱効果を上げるためにグラファイトを添加することがあります。TG-DTAを用いることで、発泡性高分子材料に含まれるカーボンブラックおよびグラファイト量を定量することが可能です。ここでは試料中のグラファイト定量の測定事例を紹介します。

原理

秤量した試料を窒素雰囲気下で40℃~600℃まで加熱します。一旦加熱温度を400℃まで下げ、次に雰囲気ガスを窒素から空気に切り替えて加熱温度を800℃まで加熱します。窒素雰囲気下で600℃まで加熱した時の重量減少量を有機物量、空気雰囲気器に切り替えて800℃まで加熱した時の重量減少量をグラファイト量とします。

分析事例

発泡ポリスチレン3点についてTG-DTA測定を行いました。測定チャートの例を図1,2に示します。グラファイト定量結果を表1に示します。

図1,2

表1 発泡ポリスチレン中のグラファイト量(単位:wt%)

分析試料グラファイト量
サンプルA1.1
サンプルB4.3
サンプルC3.5