食用油中に含まれるグリシドール脂肪酸エステルが体内で消化されるとき、発がん性のあるグリシドールに変換される危険性が懸念されています。その反応を以下に示します。
この食用油中のグリシドール脂肪酸エステル量を定量する方法として以下の方法で実施可能です。 |
この方法はグリシドール脂肪酸エステルを加水分解し、生成した3−クロロプロパン−1,2−ジオール(3-MCPD)をフェニルホウ酸により誘導体化し、GC/MSで定量します。
図1 オプションA法
表1
試料名 | 3-MCPD含量 |
---|---|
食用油A | 0.4μg/g |
クッキングオイルB | 69μg/g |
定量下限:0.1μg/g
図2
グリシドール脂肪酸エステル標品を用いて、高感度での油脂中のグリシドール脂肪酸エステルの定量を行うことができます。
図3 パルミチン酸グリシドールエステル(16:0-GE)検量線
図4 油脂のマスフラグメントグラム
LC-MS/MS装置
AB SCIEX QTRAP®5500