分析事例

スニッフィングGC/MSによる香気成分分析

においの成分分析においては、ヒトが感じるにおいの強さ(官能評価)とGC/MS分析(機器分析)により得られるピークの強さが一致せず、におい成分を同定することが困難な場合があります。しかしながら、スニッフィングGC/MS分析では官能評価と機器分析を平行して行うことができ、GC/MS分析のみの場合よりにおい成分の同定が容易になります。
図1はスニッフィングGC/MSを用いてアメ玉を分析した結果です。図上段はGC/MS-TICC(トータルイオンカレントクロマトグラム)、中段はにおいのシグナル、下段はにおい成分のMSスペクトルです。においのシグナルとは官能評価の結果で、そのシグナル強度は『においの強さ』を表します。測定の結果、図中○で示した小さなピークが検出された時に『甘い香り』を嗅ぐことができました。このピークのMSスペクトルを解析することにより『甘い香り』の成分はイソ酪酸エチルであることが判りました。

図1 スニッフィングGC/MS測定結果

図1 スニッフィングGC/MS測定結果