熱重量測定(TG)は、試料を一定速度で加熱しながらその重量変化を連続的に測定します。一方、示差熱分析(DTA)は、基準物質とともに試料を加熱したときの両者の温度差の変化を測定します。二つの装置を組み合わせ、同時に測ることによって試料の熱的変化を推定することができます。
(DTA信号は吸熱が下向きのピーク、発熱が上向きのピーク)
図1 シュウ酸カルシウム(CaC2O4・H2O)の測定例
シュウ酸カルシウム水和物は空気中で900℃までの加熱において以下の様な3段階の反応を起こします。
① CaC2O4・H2O | → CaC2O4+H2O↑ | (重量減少量:12.4wt%、理論値:12.3wt%) |
② CaC2O4 | → CaCO3+CO CO+1/2O2 → CO2↑ |
(重量減少量:19.2wt%、理論値:19.2wt%) |
③ CaCO3 | → CaO+CO2↑ | (重量減少量:30.0wt%、理論値:30.1wt%) |