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分析事例

電界脱離イオン化法 - 飛行時間型質量分析計(FD-TOF/MS)を用いたIrganox1010の分析

FD(Field Desorption、電界脱離)法とはエミッターと呼ばれる細いタングステン線上に生やした無数のカーボンのひげ(ウィスカ)に試料を塗布し、そのままイオン源部に導入、イオン化する手法です。同法の特徴としては、1)ソフトなイオン化であるため分子量情報が得やすい、2)難揮発性化合物や熱に不安定な化合物に対しても有効である等が挙げられます。
また、質量分析計にTOFMSを用いるため、精密質量測定結果から検出成分の組成式を得ることができます。
本分析事例では、FD-TOF/MSを用いて酸化防止剤であるIrganox1010の精密質量測定を行った事例をご紹介します。

分析試料

図1 Irganox1010構造式
図1 Irganox1010構造式

Irganox1010(組成式;C73H108O12

分析装置

分析装置はJEOL製JMS-T100GCvを用いました。

結果

Irganox1010のFD-TOF/MSスペクトルを図2に、精密質量測定結果を表1に示します。

図2 Irganox1010のFD-MSスペクトル(左;全体、右;拡大)
図2 Irganox1010のFD-MSスペクトル(左;全体、右;拡大)

表1 FD-TOF/MS法によるIrganox1010の精密質量測定結果

測定精密質量計算精密質量推定組成式不飽和度
1176.7881176.784C73H108O1220.0

表1より、FD-TOFMSを用いることでGC/MS分析では検出できないIrganox1010を検出することができました。また、精密質量測定結果から算出した推定組成式が当該成分の組成式とよく一致しました。

まとめ

FD-TOF/MS法はGC/MS分析では検出されない難揮発成分を検出し、得られた精密質量から組成式を算出できます。

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