PBDD/Fsもダイオキシン類同様、その濃度は一般的にごく低濃度であり、複雑な分析操作が要求されます。PBDD/Fsの分析フローを以下に示します。
図1 臭素化ダイオキシン類の分析フロー
PBDD/Fsの分析の際には、ダイオキシン類の分析の場合と同様に、同位体標識(13C体)されたPBDD/Fsを内部標準物質として用いることにより、ダイオキシン類の分析に匹敵する高精度分析を実現しています。PBDD/Fsは、ダイオキシン類よりも分析が難しい化合物です。その理由の1つに、「光によって分解しやすい」ことが挙げられます。当社ではこれら化合物の分析に対応するため、各種の褐色ガラス器具を所有しています。
またPBDD/Fsは分子の質量が大きいため、GC/MS測定において溶出しにくいという特徴があります。これら高質量の化合物を適切に測定するためには、キャピラリーカラムの適切な選択が大切です。
PBDD/FsのHRGC/HRMS測定時のクロマトグラム例を以下に示します。
また、ハウスダスト中のPBDD/Fsの測定例を以下に示します。
PBDD/Fs | TeBDDs | 0.17 |
---|---|---|
PeBDDs | 0.028 | |
HxBDDs | 0.32 | |
HpBDDs | 0.77 | |
OBDD | 1.6 | |
TeBDFs | 1.4 | |
PeBDFs | 2.0 | |
HxBDFs | 3.2 | |
HpBDFs | 2.0 | |
OBDF | 1.3 |
※単位はng/g