分析事例

シリカスラリーの分散状態観察(凍結割断レプリカ法)

スラリー中の微粒子の分散・凝集状態や安定性は、スラリーとその最終製品の特性や品質に影響します。そのため、混練条件や微粒子の表面制御など、様々な分野で工夫がなされていますが、粒度分布測定や粘度測定だけではスラリーの分散状態などを詳細に把握することは困難です。
シリカ粒子を含む液体研磨剤を用いて、凍結割断レプリカ法により作製したサンプルのSTEM観察を実施し、粒子の大きさや形状、分散・凝集状態を観察した事例をご紹介します。

分析試料

  • 液体研磨剤(シリカスラリー)

分析方法

試料を急速凍結後、凍結割断レプリカ法によりカーボンレプリカ膜を作製し、STEM観察を実施しました。

分析結果

観察の結果、溶液中に存在するシリカ粒子はほぼ球形であり、粒径はφ30~150nmでした。その粒子が単独、または数個が緩やかに集まり分散している状態が確認されました。

図1 液体研磨剤(シリカスラリー)のSTEM像
図1. 液体研磨剤(シリカスラリー)のSTEM像(左:低倍率,右:高倍率)

このように凍結割断レプリカ法を用いることで、溶液中に存在する無機粒子、高分子粒子の形状や分散・凝集状態を溶液本来の姿で観察することができます。さらに、粒子をレプリカ膜に抽出できた場合は、元素分析やマッピング分析により、粒子に含まれている元素の分布を把握することも可能です。