分析事例

ハードコート塗工液中のナノシリカの分散状態観察(凍結割断レプリカ法)

スマートフォンなどに使用されるディスプレイやレンズには、耐擦傷性や耐摩耗性の向上のため、基材表面にハードコート(以下、HC)材料が用いられています。このHCに添加されているナノ粒子の状態がこれらの性能に大きく影響することが知られており、塗工前の液状の状態でナノ粒子の分散を把握することはとても重要です。
本資料では、凍結割断レプリカ法を用いて、HC塗工液を観察した結果を紹介します。

分析試料

HC塗工液2水準
  • 表面処理を行ったナノシリカ粒子を含むHC塗工液
  • 表面処理を行っていないナノシリカ粒子を含むHC塗工液

分析方法

試料を凍結割断レプリカ法により、レプリカ膜を作製し、そのSTEM観察(加速電圧30kV)を実施しました。
(凍結割断装置:日本電子製 EM-19501 JFD-V  STEM:Zeiss製 ULTRA plus)

分析結果

HC塗工液中のナノシリカ粒子の観察結果を図1に示します。表面処理を行ったナノシリカ粒子を含むHC塗工液では、ナノシリカが単独、若しくは数個が凝集した粒子が、均一に分散していました。表面処理を行っていないナノシリカ粒子を含むHC塗工液では、ナノシリカ粒子のほとんどが数個~数十個集まって凝集していました。本手法を用いることで、HC塗工液中に含まれるナノ粒子の分散状態を可視化することができます。

HC塗工液中のナノシリカ粒子の分散状態

図1 HC塗工液中のナノシリカ粒子の分散状態
左:表面処理を行ったナノシリカ粒子を含むHC塗工液
右:表面処理を行っていないナノシリカ粒子を含むHC塗工液