食品中の異物を分析する場合、ご提供頂いた状態をできるだけ崩さずに形態観察を行います。
食品内部に異物が存在する場合は、少しずつ食品を取り除き異物のみを単離してから、再度異物の形態観察を行います。観察結果と以下の機器分析結果を組み合わせることで、異物の同定を行います。
SEM/EDX分析を実施すると元素情報が得られます。観察結果と検出元素から予想される成分を推測します。
Fe、O | ⇒ | 酸化鉄 |
Fe、Ni、Cr | ⇒ | ステンレス |
Si、O | ⇒ | ガラス、等 |
顕微FT-IR分析を実施すると分子の構造に応じたスペクトルが得られます。観察結果とIRスペクトルから予想される成分を推測します。
タンパク質 ⇒ 毛、皮膚、リン酸カルシウム ⇒ 歯や骨、セルロース ⇒ 綿(衣類、紙)
PET、ナイロン ⇒ 化繊、 アクリル系レジン ⇒ 歯の詰め物
プラスチック ⇒ 製造工程や運搬工程からの混入、包装材の混入
パン中に確認されたフィルム状異物の分析(顕微FT-IR分析)
パンと異物を一緒に分析した場合は、澱粉、蛋白質、油脂の情報と異物の情報が混じったスペクトルが得られます。異物を単離して分析すると異物のみの情報が得られます。