分析事例

データベース「Aroma Office(アロマオフィス)」によるにおい分析

AromaOfficeは、国内外の主要な雑誌に掲載された、におい成分に関する化合物情報や文献情報を収録したデータベースです。AromaOffice を活用しGC/MS分析結果を解析することにより、未知成分のマススペクトルと保持時間(RI)の両方の類似度から照合し、におい成分の自動一斉検索を高精度かつ迅速に行うことが可能となりました。
※保持時間(RI)は、対象とする未知成分の保持時間をパラフィン標準物質との相対値として表したものであり、化合物特有の固有値として扱うことができ、未知成分の同定の重要な要素となります。

分析の概要

分析目的に応じた前処理を行い、得られたGC/MSトータルイオンカレントクロマトグラム(TIC)をAromaOfficeにて自動スクリーニング検索を行います。

グラフ

AromaOfficeによるグレープフルーツジュースの自動スクリーニング検索結果

におい成分データベースAromaOfficeによる自動スクリーニング検索の結果、上記成分が推定されました。
AromaOfficeによる検索結果では、におい成分の推定が高精度かつ迅速にできます。但し、データベースに収録されていない成分やピークが検出されていない成分はヒットしません。GC/MSピーク強度と臭気の強度は相関がないので、クロマト上に見えないピークが臭気成分の可能性もあります。従って、におい成分を確定するためには、ヒトの嗅覚評価を加えたスニッフィング-GC/MS分析が必要となる場合もあります。

グラフ

分析法による におい成分の推定範囲の違い