自動車内装材から生じる臭気は、多種の原料由来の、多くの臭気成分から構成されます。成分によっては僅かな量でも強い臭気を有するものもありますが、2次元GCによる高精度スニッフィングGC/MS分析と訓練されたパネルにより、臭気成分分析が可能となります。
ここでは、フロアマットの臭気分析の例について紹介します。
複数のパネルにより1次元スニッフィングGC/MS分析を行い、臭気の強さ、質を加味した臭気主成分12ピークを選定しました。不分離であった7成分については、2次元スニッフィングGC/MS法も加え、12ピークの定性分析を行いました。
表1 フロアマット臭気主成分定性結果
ピークNo. | 6.6 | 定性結果 | 臭気強度 |
---|---|---|---|
1 | 6.6 | Pdntamenthylheptane | 2.3 |
2 | 8.3 | Camphene | 2.0 |
3 | 9.7 | 1-Hepten-3one | 2.3 |
4 | 10.7 | 不明(2Dにてにおいシグナル確認できず) | 2.3 |
5 | 11.2 | 1-Butoxy-2-propanol | 2.0 |
6 | 11.6 | Cyclohexanecarboxylic acid methylester | 1.7 |
7 | 11.9 | Tetramethylbenzene | 2.3 |
8 | 12.0 | 4-Ethylstyrene | 3.3 |
9 | 12.4 | 2-Ethylhexanol | 3.0 |
10 | 12.9 | Isobutyric acid | 3.0 |
11 | 14.0 | Isovaleric acid | 3.0 |
12 | 15.8 | Phenol | 2.7 |
フロアマットから発生する臭気主成分12成分中微量臭気成分を含む11成分を特定する事ができました。特にピークNo.8〜11で示す4成分は臭気強度も強く、臭いの質も原臭に近い事から臭気への影響が大きい物質であると推定されました。
各自動車メーカーの規格に対応した自動車内装材などの嗅覚測定も行っております。規格内容を提示の上、ご相談下さい。