カネカグループの分析会社

分析事例

蛍光X線分析法(XRF)による多元素同時測定

目的

蛍光X線分析法(XRF)は、試料に含まれているNa~Uの多元素を同時に測定することができます。当社では主に樹脂製品の元素分析に活用しています。未知試料のときは、元素分析の結果だけでは何由来の添加剤かわからないため、樹脂製品から溶剤分別した分別物をIR分析、GC/MS分析等の結果とあわせることで、金属系の添加剤が分析できます。

装置の特徴

XRF分析装置は波長分散型とエネルギー分散型に大別されます。当社では目的に合わせて使い分けています。波長分散型XRFとエネルギー分散型XRFの特徴をまとめたものを表1に示します。

表1 波長分散型XRFとエネルギー分散型XRFの特徴

XRF分析装置波長分散型XRFエネルギー分散型XRF
測定元素Na~UNa~U
測定雰囲気真空真空、大気
測定径30mmφ1、3、10mmφ
検出感度数ppm*1数十~数千ppm*1
試料形態固体、粉体固体、粉体、液体
前処理成形プレス不要

*1)ファンダメンタルパラメーター(FP)法による理論強度計算から求めるため、半定量結果となります。

分析事例の紹介

添加剤が多く配合されやすいポリ塩化ビニル(PVC)に無機系添加剤を数種類配合したモデルサンプルの分析事例を紹介します。波長分散型XRFによるモデルサンプルの分析結果を図1、表2に示し、エネルギー分散型XRFによるRoHS対応のスクリーニング分析結果を図2に示します。分析結果の定量値については、バランス成分(≒非測定含有成分)をPVCとし、FP法により求めました。

図1 波長分散型XRFによるモデルサンプルのXRFスペクトル

図1

表2 波長分散型XRFによるモデルサンプルの元素分析結果

表2

検出元素より、Ba-Zn系、Sn系、Pb系の安定剤が配合されていると推定されます。さらに、Si:ケイ酸、Ca:炭酸カルシウム、Ti:酸化チタン(顔料)、Sb:酸化アンチモン(難燃剤)等の添加剤も予想されます。この元素分析結果と溶剤分別された添加剤の分別画分をIR分析することで、金属を含有した添加剤が定性・定量できます。詳細な元素量が必要なときは、ICP発光分光分析法で実施します。

表3 エネルギー分散型XRFによるモデルサンプルの元素分析結果

表3

元素半定量結果(wt%)元素半定量結果(wt%)
Al0.22Sn0.088
Si1.1Sb0.42
Ca1.6Ba0.084
Ti2.5Pb0.21
Zn0.12PVC94

迅速な測定が行えることから、製造工程で発生したトラブル品と正常品の比較し、配合処方を確認できます。RoHS/ELV指令対応のスクリーニング分析も実施しています。

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