分析事例

毛髪表面の微細形状評価(SPM)

人の髪の毛のキューティクルの状態は水分含有量により変化します。SPM(Scanning Probe Microscope:走査型プローブ顕微鏡)は大気中・液中を問わずナノスケールの凹凸形状を評価できるという特徴があります。

ここでは、SPMにより大気中および水中の髪の毛の表面形状を比較した事例を紹介します。

分析試料

  • 男性の髪の毛(大気中/水中)

分析方法

Peak Force Tapping(スキャン範囲:20×20µm)
(Bruker AXS社製 Dimension Icon)

分析結果

大気中および水中における髪の毛表面のSPM形状像を図1,2に示します。
両者の形状を比較したところ、水中の方が15%程度キューティクルの段差が大きくなっていることが明らかになりました。

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    図1 大気中の髪の毛表面
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    図2 水中の髪の毛表面

本技術は大気中と液中で状態の異なる電解質膜の膨潤状態の評価や繊維のフィブリル、乾湿耐性の評価などに応用することができます。