食品、飲料中のにおいは、多数の香気成分から成る複合香気です。
多成分からなる素材の香気成分を把握するには、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)で取得したクロマトグラムのピークをデコンボリューション(演算処理)により分離抽出した後、香気成分データベースの自動一斉検索(アロマサーチ)を用いて解析する方法が有効です。今回はその事例をご紹介します。
希釈した試料を、ダイナミックヘッドスペース(DHS)-GC/MS分析に供し、デコンボリューション後、アロマサーチによる解析を実施しました。
分析の結果、別途得られたピークテーブルより試料に89の香気成分が含まれていることがわかりました。
また、この分析によりFurfuralのピーク(図1拡大図緑色線)にフルーティなにおい質のIsopentyl hexanoateのピーク(図1拡大図水色線)が重なっていることもわかるため、2つの香気成分を検出できました。
本分析法により大きなピークに隠れている小さな香気成分のピークも検出できるため、試料に含まれる香気成分を把握することが可能です。