分析装置紹介

核磁気共鳴分析装置Nuclear Magnetic Resonance Spectrometer(NMR)

VARIAN INOVA AS600

装置名
VARIAN VNMRS 600
装置の仕様
  • 1H共鳴周波数600MHz、RF3チャンネル+D(H、X、N、D)
  • ■ プローブ:
    • 1H−19F/15N−31P 5mm PFG Switchable Broad Band Probe
    • 1H {13C/15N} 3mm PFG Triple Resonance Probe
    • 1H {13C}4mm PFG NANO Probe
    • 13C {1H }4mm PFG NA
    • T3 NB Triple Resonance Fast MAS Probe(3.2mm) MAS~25kHz
    • T3 NB Triple Resonance Ultra Fast MAS Probe(1.2mm) MAS~60kHz
    • T3 NB Double Resonace MAS Probe(5.0mm) MAS~12kHz

NMR(Nucler Magnetic Resonance)の原理は1万〜数十万ガウスの強磁場中で歳差運動をする核スピンに外部磁場としてラジオ波を照射することにより生じるエネルギー吸収(共鳴)を観測するものです。
試料を磁場中におくと、その中のスピンを有する核は2つ以上のエネルギー順位に分裂します。このエネルギー差が共鳴エネルギーに相当し、物質の化学構造を反映します。化合物中の注目する核の周囲の化学的環境、すなわち電子密度分布状態や隣接核の小磁場による遮蔽効果の違いから、その共鳴周波数に微小な差異が生じ、それは化学シフトとして構造解析のための基本的情報パラメーターになります。FT−NMRにおいては外部照射するラジオ波はある周波数範囲を網羅するパルス波として与えられ、得られる自由誘導減衰(FID)信号をフーリエ変換することによって周波数に変換されたスペクトルを取得できます。また、スピン−スピン結合によるシグナルの分裂から原子相互の位置関係がわかり、シグナル強度が原子数・濃度を反映するため、化合物の同定や定量が可能です。本装置は以下のような特徴を有します。

  • 高分解能・高感度測定
  • 多核測定(15N(61MHz)〜19F)
  • 温度可変測定
  • グラジエントシム
  • 多次元測定:2D(HX〜INADEQUATE)、3D(CHN、3mm−INVERSE)
  • DOSY(Diffusion Ordered SpectroscopY)、拡散係数測定、緩和時間測定
  • 微量測定・不均一系測定(NANOプローブ)
  • 固体NMR測定