分析事例

鉱石中のZr、Si定量

アルカリ融解法などを実施するための高温加熱装置として、電気炉の他に高周波溶融装置があります。電気炉には撹拌機能がないため、手動の撹拌を必要としますが、高周波溶融装置は自動撹拌機能により、均一に溶融操作行うことが可能です。
以下に、高周波溶融装置を用いたアルカリ融解/ICP-AESによる鉱石中のZr、Si定量分析の事例を紹介します。

(1)装置

図1 高周波溶融装置外観

図1 高周波溶融装置外観

(2)鉱石中のZr、Si定量結果

2通りの溶融操作(電気炉による手動処理と高周波溶融装置による自動処理)で試料のアルカリ融解を行いました。ICP-AESによるZr、Si定量値の再現性(n=3)を評価しました(図2)。

図2 シリコーン含有試料中のSi定量結果

図2 鉱石中のZr、Si定量結果(ZrO2、SiO2換算値)

手動処理では溶融にムラが生じ、定量結果にばらつきが見られましたが、自動処理では安定した結果が得られました。

このように高周波溶融装置を用いることで、均一な溶融を行うことができ、その結果再現性のある定量結果を得られることが分かります。