分析事例

透過型電子顕微鏡(TEM)による高分子材料の形態観察

2種類以上の高分子を配合して作成した材料では、混ざり具合と物性との関連が見られるといわれています。弊社では、四酸化オスミウム(OsO4)、四酸化ルテニウム(RuO4)、リンタングステン酸(PTA)等による電子染色を行うことにより高分子を判別することができます。観察試料は100nm以下の均一な厚みの超薄切片にする必要がありますが、ウルトラミクロトームによる常温超薄切片法や凍結超薄切片法を用いて作成することが可能です。

写真の一例を紹介します。

PE/PP(図1)
RuO4染色−常温超薄切片法によりPPマトリックス中に分散したPEの分散状態が分かります。
ABS/Nylonアロイ(図2)
OsO4、PTAを用いた二重染色法により、ABS中のBdゴムとAS、Nylonの分散状態が分かります。
SEPS(図3)
軟質系のためRuO4染色−凍結超薄切片法により規則正しく配列したST成分の分散状態が分かります。
PVC(図4)
アクリル包埋−常温超薄切片−エッチング法によりPVCのゲル化状態が分かります。
PE/PP
図1. PE/PP
ABS/Nylonアロイ
図2. ABS/Nylonアロイ
SEPS
図3. SEPS
PVC
図4. PVC