分析装置紹介

透過型電子顕微鏡Transmission Electron Microscopy(TEM)

株式会社日立ハイテクノロジーズ H-7650

装置名
株式会社日立ハイテクノロジーズ H-7650
装置の仕様
  • 加速電圧:40~120kV
  • 分解能:0.204nm

透過型電子顕微鏡の結像
結像は対物レンズ、中間レンズ、投影レンズという3種の電子レンズによって行われます。試料直下の収差の極めて小さい対物レンズで初段像を作り、中間レンズで拡大し、拡大率の高い投影レンズで蛍光板あるいはカメラ上に結像させ終像を得ます。また、対物レンズの像面に制限視野絞りを置き視野選択した後に、中間レンズの励磁を切り替えることによって、対物レンズの後焦点面に形成されている電子回折図形を結像することもできます。
電子顕微鏡のコントラスト
散乱コントラスト、回折コントラスト、位相コントラストによって生じます。散乱コントラストは電子線が試料で散乱し、散乱波が対物絞りでカットされることにより生ずるコントラストであり、散乱は物質の質量と厚さの積に比例します。回折コントラストは結晶性試料で電子線がブラッグ反射し、回折波が対物絞りでカットされることにより生ずるコントラストであり、対物絞りを回折波に合せることにより結晶情報を含む暗視野像が得られます。位相コントラストは透過波と位相のずれた散乱波の干渉により生ずるコントラストであり、非常に薄い試料において支配的となります。位相コントラストの代表例として結晶格子像が挙げられます。