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分析事例

ワイン中の硫黄化合物の定性分析

ワインには酸化防止剤として添加されている二酸化硫黄、酵母によるアルコール発酵過程、その他農薬や含硫アミノ酸等の影響により硫黄化合物(以下、S化合物)が生成すると推定されています。S化合物はワインの風味を損ねる可能性があるため、その同定は重要です。S化合物を選択的に検出するPFPD(パルスド炎光光度検出器)を装備したGC/Q-TOFMS(ガスクロマトグラフ/四重極飛行時間型質量分析装置)を用いて、ワイン中の微量揮発性S化合物および準揮発性S化合物を定性しました。

実験方法

市販赤ワインを2種類の前処理法(Dynamic Headspace(DHS)、及びFull Evaporation DHS)でGC/Q-TOFMS・PFPD測定を行い、PFPDで検出されたピークの中から硫黄シグナル8本を選択しました。
これらのシグナルのMSスペクトルをライブラリ検索し、同定できなかったピーク6,8についてはGC/Q-TOFMSの化学イオン化測定によるMSスペクトル、及びMS/MSスペクトルを解析し、構造を推定しました。

図1. 市販赤ワイン GC/Q-TOFMS(TIC)およびPFPDシグナル

図1. 市販赤ワイン GC/Q-TOFMS(TIC)およびPFPDシグナル

結果

市販赤ワインから検出された硫黄化合物8成分について定性分析を行い、Sulfur dioxide、Mercaptoacetone 等が含まれていることがわかりました。
赤ワインのTICとPFPDシグナルを図1に、S化合物の定性結果を表1に示します。

まとめ

PFPDにより食品に特長的な硫黄化合物を見つけ出し、MSスペクトルのライブラリ検索、及びGC/Q-TOFMSによるMS、MS/MSスペクトルの解析により、これらの硫黄化合物の構造を推定することができます。
風味に関わる成分の特定にご活用いただけます。

表1 市販赤ワイン中のS化合物定性結果

ピークNo 組成式 推定成分
1 SO2 Sulfur dioxide
2 C3H6OS Mercaptoacetone
3 C3H8OS 2-(Methylthio) ethanol
4 C4H10OS Methionol
5 C2H6O2S Dimethyl sulfone
6 C4H8OS 1-(Vinylsulfanyl)ethanol
7 C5H12O2S 3-(2-Hydroxyethylthio)-propan-1-ol
8 C8H18O2S 推定分子量が178のS化合物

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