熱拡散率とは熱の伝わる速さを表す値(単位はmm2/sec)であり、電子材料をはじめ家庭用電化製品、自動車部品、建築材料、工業材料など、放熱・断熱材料の熱特性を知る上で重要な物性です。キセノンフラッシュアナライザーを用いることで、金属、セラミックス、プラスチックなどの熱拡散率を測定することが可能です。ここでは、キセノンフラッシュアナライザーを用いた熱拡散率測定例を紹介します。
NETZSCH製 LFA467 HyperFlash
(試料材質によっては厚み100μm未満でも測定可能)
パイロセラム(ガラスのセラミックス)、ポリイミドフィルム、グラファイトシートについて熱拡散率測定を行いました。測定チャート例を図1に、測定結果を表1に示します。
パイロセラムの測定結果は装置メーカーの文献値と良く一致し、精度良く測定できました。また、ポリイミドフィルムやグラファイトシートといった薄膜試料でも再現性のある測定結果が得られました。
表1 各種材料の熱拡散率測定結果
分析試料 | サンプル 厚み | 測定方向 | 熱拡散率 (mm2/sec) | CV(%) (n=5測定) | 装置メーカー 測定値 (mm2/sec) |
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パイロセラム | 1mm | 厚み方向 | 1.91 | 0.52 | 1.926 |
ポリイミドフィルム | 50μm | 厚み方向 | 0.111 | 3.4 | - |
グラファイトシート | 40μm | 厚み方向 | 3.83 | 7.0 | - |
40μm | 面内方向 | 827 | 5.8 | - |