分析事例

医薬品安定性試験

弊社では医薬品安定性試験(原薬・製剤)をGMP省令(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)に対応した品質管理体制で実施しています。

検体の保管

「安定性試験ガイドライン」(ICH Q1A(R2))に基づき、温度・湿度・光といった様々な環境因子の影響の下での原薬および製剤の安定性試験を実施しています。
現在対応できる保管条件一覧を表1に示します。
検体の保管に使用される装置の一例を図1、2、3に示します。

表1 保管条件一覧
試験の種類 保管条件
長期保存試験
(ウォークインチャンバー)
25℃ー60%RH
加速試験 40℃ー75%RH
中間的試験 30℃ー65%RH
苛酷試験 温度は-25℃〜100℃と低温領域まで制御可能
温湿度は10℃〜85℃,20〜98%RHの範囲内で制御可能
光安定性試験 3光源(D65蛍光ランプ、ケミカルランプ、白色蛍光灯)に対応
温度は5℃~40℃と光安定性試験としては低温度領域まで制御可能
温湿度は20℃〜40℃,45〜80%RHの範囲内で制御可能

・全ての保管装置の庫内温湿度は24時間モニタリングしており、異常時は関係者に連絡されます。

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    図1 ウォークインチャンバー
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    図2 温湿度試験槽
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    図3 光安定性試験槽

留意点

  • ウォークインチャンバーの1区画のサイズは、40cm×30cm×30cm(ご要望に合わせサイズは変更可能です)。
  • 試験中に臭気・ガス等の汚染物質が発生する恐れのあるものはお断りすることもあります。

分析

現在GMP省令に対応可能な試験項目、機器一覧を表2に示します。

表2 安定性評価に用いる試験機器一覧
試験項目 試験機器
性状・確認試験 FT-IR,TLC
定量法・純度試験 HPLC(UV,PDA,RF), GC/FID
水分試験 KF
製剤試験 溶出試験器、崩壊試験器、錠剤破壊強度試験器

その他

  • GMP省令に要求される品質管理体制の元、安定性試験及び医薬品に関わる分析(分析法バリデーション(ICHQ2)、残留溶媒(ICHQ3C)、元素不純物(ICHQ3D))に関する課題があれば、御相談ください。
  • ICHガイドラインに基づく不純物の構造解析や結晶多形などにも対応いたします。
  • 弊社で対応可能な医薬品に関わる試験項目及び試験機器一覧を表3に示します。
表3 医薬品に関わる試験項目及び試験機器一覧
試験項目 試験機器
ICHQ3C 残留溶媒(GMP対応) HS-GC/FID
ICHQ3D 元素不純物(GMP対応) ICP/MS, ICP/AES
ICHQ3A 原薬の不純物の構造推定 LC/TOFMS, NMR
ICHQ3B 製剤の不純物の構造推定
医薬品結晶多形 XRD