キャピラリー電気泳動(CE)法はキャピラリーカラム内で電気泳動を行い、水溶液中の様々な成分を分離分析する分析手法であり、分離精度が高く、短時間分析が可能という特徴があります。ここでは、CE法による無機アニオンと有機酸の測定事例をご紹介します。

図1 混合標準液のエレクトロフェログラム
| No. | 成分 |
|---|---|
| 1 | 塩素 |
| 2 | 硝酸 |
| 3 | 硫酸 |
| 4 | シュウ酸 |
| 5 | ギ酸 |
| 6 | 酒石酸 |
| 7 | リンゴ酸 |
| 8 | クエン酸 |
| 9 | コハク酸 |
| 10 | グリコール酸 |
| 11 | 酢酸 |
| 12 | 乳酸 |
| 13 | リン酸 |
| 14 | プロピオン酸 |
| 15 | 酪酸 |
| 16 | オクタン酸 |
CE法により16成分混合標準液を測定しました(図1)。CE法ではキャピラリーの洗浄・平衡化を含めて10分程度で16成分の分離・検出が可能でした。
同様にIC法でも16成分混合標準液を測定し、CE法と比較しました。IC法は感度・定量性の点ではCE法より優れる一方で(定量下限値 CE法:5 mg/L程度、IC法:0.1 mg/L程度)、多成分を一斉に分離・検出するためにグラジエント溶離が必要となり、今回の16成分混合標準液の測定には、60分程度測定に時間がかかりました。IC法で分析時間を短縮し、分離精度を改善する場合、測定成分に応じたカラムの切り替えや分析条件の検討が必要となります。対してCE法では多成分を短時間で分離・検出が可能であるため、高スループットな分析に適しています。
また、IC法ではカラムやサプレッサー保護のため、試料中の有機物やカウンターイオンの除去等の前処理が必要ですが、CE法では試料の希釈、フィルターろ過程度の簡易な前処理のみで分析が可能です。
キャピラリー電気泳動(CE)法を用いることで短時間・高分解能なアニオン分析が可能です。