分析事例

蓄冷材の融解温度及び潜熱量評価(DSC)

蓄冷材は、氷やドライアイスの代替として生鮮食品の保冷配送などに用いられており、繰り返し使用可能で所望の温度帯を維持できることから、食品分野に加え医薬品や冷凍品の輸送用途にも利用が拡大しています。蓄冷材は、固体から液体への相変化に伴う融解潜熱を利用して温度を制御するため、融解温度および潜熱量は重要な評価指標となります。
本資料では、2種類の蓄冷材について、示差走査熱量測定(DSC測定)により融解温度および潜熱量を評価した事例を紹介します。

分析試料

  • 試料① 蓄冷材A
  • 試料② 蓄冷材B

分析条件

  • 装置名 株式会社日立ハイテクアナリシス製 DSC7000X
    試料をDSC測定用パンに封入し、昇温測定を行いました。

分析結果

試料①および試料②のDSC曲線を図1に示し、測定結果のまとめを表1に示します。

図1

図1 試料のDSC曲線

表1 蓄冷材のDSC測定結果
分析試料 融解ピーク温度(℃) 潜熱量(mJ/mg)
試料① -24.5 230
試料② -52.0 150

表1より、試料①は-25℃付近で融解し、試料②は-50℃付近で融解する蓄冷材であることがわかりました。また、潜熱量は試料①の方が大きいことがわかりました。DSC測定では蓄冷材の性能評価の他にも無機物や有機物の融解や結晶化などの物性評価を行うことができます。