分析事例

複合材料の分散状態観察

樹脂と無機フィラーで構成される複合材料は、自動車部材や家電製品に欠かせない存在となっています。そのため、各物質の分散状態や、無機フィラーとマトリックス樹脂との密着性などを把握することが重要です。
複合材料は硬さの大きく異なる物質によって構成されるため、ブロードイオンビーム(BIB)加工により断面を作製し、走査電子顕微鏡(SEM)観察、元素分析(EDX)を行いました。

形態観察結果

元素分析結果(点分析)

元素分析部位 A)ガラスフィラー
B)タルク C)Sb系難燃剤
D)Br系難燃剤 E)樹脂

元素分析結果(マッピング分析)

強度マップ

強度マップ果

通常の強度マップではAl KαとBr Lα、Ca KαとSb Lαは特性X線が重畳・近接するため、分布が重なります。

定量マップ

定量マップ

定量マッピングを実施することにより、特性X線が重畳・近接する元素を分離することができます。