分析事例

健康茶の分析(香気成分)

最近、様々な健康機能をうたった健康茶が市販されていますが、弊社では数種類の健康茶および緑茶等について、様々な手法で分析を試みました。ここではガスクロマトグラフィー質量分析法(以下GC/MS法)による香気成分の定性分析についてご紹介します。

(1)試料と前処理

市販されているお茶のうち、3種を選択しました。

  • 1)緑茶
  • 2)ほうじ茶
  • 3)甜茶

(2)香り分析方法

上記お茶の熱湯抽出液を容器中で加熱し、気相部の有機物を固相マイクロ抽出法(SPME法)で捕集したのち、GC/MS法で分析しました。SPME法は、シリンジ先端に化学修飾を施した石英ファイバー製の固相抽出部を設けて抽出・濃縮を行う方法です。

図1 TICの比較

図1 TICの比較(上から1)緑茶、2)ほうじ茶、3)甜茶)

図1に示すGC/MS−TICではどの試料も非常に多くの成分が確認されました。ここでは各試料の上位3成分についてご紹介します。

表1 香気成分定性結果の要約

 試料主成分(面積百分率の上位3成分:1位、2位、3位の順に表記)
1)緑茶リナロール、ヘキサナール、メチルヘプテノン
2)ほうじ茶フルフラール、1-Ethyl-1H-pyrrole-2-carboxaldehyde、(E,E)-2,4-heptadienal
3)甜茶D-リモネン、リナロール、メントン(トランス)