分析事例

燃焼生成ガス分析

目的

プラスチックなどを燃焼した際に発生するガス成分について定性・定量を行います。
燃焼ガスを分析することで、材料の安全性や環境影響を評価することができます。

測定原理

燃焼方法

燃焼管に空気や窒素などのガスを規定流量で流しながら設定温度まで昇温します。
試料を試料ボードに移し、燃焼管内に挿入し規定時間保持し燃焼させます。
燃焼条件については、設定温度、支燃ガスの種類及び供給量、試料量、燃焼時間について、ご要望に応じた条件での試験を行います。また、表1に示しますJIS K7217 A法と同じ燃焼条件での試験も実施できます。
※JIS K 7217に規定される燃焼装置とは異なる装置で燃焼操作を行います。

表1 JIS K7217による燃焼条件

設定温度支燃ガス支燃ガス供給量試料量燃焼管内保持時間
750±10℃空気0.50±0.05L/min約0.1g10min
捕集方法及び分析方法

燃焼ガスは分析対象ガスに適した捕集方法で捕集・分析を行います。

水溶性ガス:
捕集瓶内にそれぞれの関連規格に規定された吸収液を入れ、燃焼ガスを通過、吸収させた後、イオンクロマトグラフ法、吸光光度法等で分析を行います。
非水溶性ガス:
テドラーバッグ等のガス捕集用袋に捕集後、ガスクロマトグラフ法等で分析を行います。

代表的な分析対象ガス

水溶性ガス:
塩化水素、アンモニア、シアン化水素、二酸化硫黄など
非水溶性ガス:
一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ベンゼン、トルエンなどの有機性ガス

分析例

フィルム燃焼試験(フィルム間の比較)
分析項目単位フィルムAフィルムB定量限界
一酸化炭素mg/g36012050
二酸化炭素mg/g53029080
塩化水素mg/g0.610.590.03
シアン化水素mg/g0.070.060.01
アンモニアmg/g0.060.080.03
硫黄酸化物mg/g不検出不検出0.06
窒素酸化物mg/g不検出不検出0.06

自動試料燃焼装置 マクロシステムAQF-2100M (株)三菱化学アナリテック製

自動試料燃焼装置 マクロシステムAQF-2100M (株)三菱化学アナリテック製

自動試料燃焼装置イメージ図

自動試料燃焼装置イメージ図