分析事例

放散試験(サンプリングバッグ法)

揮発性有機化合物(VOC)によるシックハウス症候群の社会動向を受け、自動車工業会は2005年2月に「車室内VOC低減に対する自主的取り組み」を公表しました。その内容は、「厚生労働省が定めた13物質の室内濃度指針値に対し、2007年度発売の新型乗用車からこれを満足させる」であり、これを受けて自動車メーカー各社は部品揮発量低減の目標値を定めるとともに、自動車内装材のVOC放散試験方法を策定しました。
自動車用内装材のVOC放散試験には、自動車技術会規格JASO M 902及び自動車メーカー各社が独自に定めた方法がありますが、これらは主にサンプリングバッグを使用した方法(一部は小形チャンバーや大形チャンバーを使用)となっています。
弊社は自動車メーカー各社から自動車用内装材の放散試験機関として認定されており、各種の自動車内装材VOC放散試験を実施しています。

図1 サンプリングバッグ法概略図
図1 サンプリングバッグ法概略図

サンプリングバッグ法放散試験では、試料をサンプリングバッグに入れて恒温で一定時間保持し、試料からサンプリングバッグ内に放散したVOC成分を捕集した後に、HPLC及びATD-GC/MSにより定性・定量分析を行います。

写真1 サンプリングバッグと試料
写真1 サンプリングバッグと試料
写真2 試験の様子
写真2 試験の様子