分析事例

有機顔料中のポリ塩化ビフェニル(PCB)の分析

概要

平成24年2月10日に経済産業省より「非意図的にポリ塩化ビフェニルを含有する可能性がある有機顔料について」が発表され、一部の有機顔料(主に塩素含有)の製造過程において非意図的にPCBが生成される事が公表されました。
この内、国際的な基準「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」(規制値50ppm(mg/kg)以下)を越える有機顔料については、その製造,輸入,出荷を停止するように事業者に指導しています。

PCBは、209種類の異性体からなる化合物の総称であり、通常のPCB製品やごみ焼却場などの燃焼で発生するPCBの異性体パターンと比べ、有機顔料中のPCBは特異的な異性体パターンを示しております。
その為、一般的にPCB分析で使用する「ガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)」や「ガスクロマトグラフ/四重極型質量分析計(GC/MS)」での分析では妨害物質の影響等により、有機顔料中の特異的な異性体が正確に確認できない場合があります。
当社ではPCB異性体分析を高感度で実施できる「高分解能ガスクロマトグラフ/高分解能質量分析装置(HRGC/HRMS)」を用いて、精度よく有機顔料中非意図的PCBの分析を実施しています。

現在は50ppm(mg/kg)以上の有機顔料に対して規制がされておりますが、日本におけるPCB特別措置法では0.5ppm(mg/kg)以上含有するものは微量PCB汚染廃棄物に分類されます。0.5ppm(mg/kg)でのPCB含有の有無について調査する場合においても、当社では各異性体で0.01ppm(mg/kg)まで分析ができます。

分析方法

「副生ポリ塩化ビフェニルを含有する有機顔料の製造・輸入等について(行政指導)」別紙2の方法

方法の図

分析事例

パターン1

パターン1

パターン2

パターン2