分析事例

インジウム化合物作業環境測定

インジウム化合物の有害性・用途

  • 発がん性:リン化インジウムは国際がん研究機関(IARC)の区分2A(ヒトに対しておそらく発がん性がある)に該当します。
    インジウム・スズ酸化物(ITO)はラットを使った2年間の試験で発がん性が認められました。
  • 吸入による肺の重篤な障害:人の間質性肺炎等(死亡例あり)
  • 用途:薄型ディスプレイ等の透明電極材料、化合物半導体

インジウム化合物作業環境測定

「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」(平成24年厚生労働省令第143号)が平成25年1月1日より施行・適用となりました。これにより、インジウム化合物は特定化学物質の特定第2類物質に追加され、インジウム化合物等を製造・取り扱う屋内作業場については、6ヶ月以内ごとに1回の定期的な作業環境測定の実施が定められました。一年間の猶予期間後、平成26年1月1日より義務化されています。

作業環境測定対象作業場及び管理濃度

インジウム化合物及びこれらを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物を製造し、または取り扱う作業全般が作業環境測定の対象となります。ただし、インジウム化合物等を電極とする液晶パネルを用いて電気製品を組立てる作業は、対象となりません。

管理濃度:定めない

インジウム化合物を扱う場合の措置(保護具の着用)

インジウム化合物を製造・取扱う屋内作業場では、作業環境測定結果に応じて、厚生労働大臣の定める規格を満たす呼吸用保護具の使用が必要です。

作業環境測定結果呼吸用保護具
300μg/m3以上
  • 全面形プレッシャデマンド形空気呼吸器
  • 全面形圧縮酸素形陽圧形酸素呼吸器
30μg/m3以上
  • 全面形電動ファン付き呼吸用保護具(粒子捕集効率99.97%以上)(JIS規格による漏れ率がS級であって、労働者ごとの防護係数が1000以上であることが確認されているもの)
  • 全面形プレッシャデマンド形エアラインマスク
15μg/m3以上
  • 全面形電動ファン付き呼吸用保護具(粒子捕集効率99.97%以上)
  • 半面形電動ファン付き呼吸用保護具(粒子捕集効率99.97%以上)(JIS規格による漏れ率がA級以上であって、労働者ごとの防護係数が100以上であることが確認されているもの)
  • 全面形の一定流量形エアラインマスク
7.5μg/m3以上
  • 半面形電動ファン付き呼吸用保護具(粒子捕集効率99.97%以上)
  • 全面形取替式防じんマスク(粒子捕集効率99.9%以上)
3μg/m3以上
  • フード形又はフェイスシールド形の電動ファン付き呼吸用保護具(粒子捕集効率99.97%以上)
0.3μg/m3以上
  • 半面形取替式防じんマスク(粒子捕集効率99.9%以上)
0.3μg/m3未満 定めなし

*作業環境測定結果は、作業環境評価基準に準じ算出した第一評価値又はB測定値のいずれか高い方を指す

作業環境測定の流れ

作業環境測定基準に従い下記の流れで行います。

所定の方法で評価を行い、作業環境測定結果報告書をご提出いたします。