パルスNMR(TD-NMR)は、分子の運動性に依存したスピンースピン緩和時間(T2)を測定することで、樹脂内部の分子運動状態を連続的に評価できます。
本資料では2液混合型エポキシ樹脂の硬化過程を評価した事例について紹介します。
2液混合型エポキシ樹脂について、TD-NMRを用いて硬化過程を経時的(2液を混合させ、硬化開始から0 min, 3 min, 9 min, 15 min, 21 min, 39 min)に測定しました。
その結果、緩和時間(T2)の異なる3成分(分子運動性が低い成分、分子運動性が中程度の成分、分子運動性が高い成分)が検出されました。一般的にT2が短い成分ほど分子運動性が低く、T2が長い成分ほど分子運動性の高い状態を反映します。各成分のプロトン比および緩和時間の経時変化を図1,2に示します。
硬化が進むと、分子運動性が低下します。プロトン比は、反応初期に分子運動性が高い成分が急激に減少し、分子運動性が中程度の成分が急激に増加しました。これはエポキシ樹脂の初期の硬化を示しています。分子運動が低い成分は時間経過とともに増加し、10分を過ぎると分子運動性が高い成分、および中程度の成分が減少しました。時間経過とともにより硬化が進行したと考えられました。緩和時間は、分子運動性が高い成分および分子運動性が中程度の成分の緩和時間は反応初期に短くなり、その後ほぼ一定の値を示しました。

図1 プロトン比の経時変化

図2 緩和時間の経時変化
TD-NMRにより、樹脂の硬化過程を連続的に評価することができます。