カネカグループの分析会社

分析事例

培養液中成分の網羅的解析

培養液中にはアミノ酸・有機酸・ビタミン・核酸関連化合物、さらに細胞から分泌される代謝物など様々な化合物が含まれています。これらの成分の網羅的解析は、バイオプロセスを考える上で有用な情報を与えます。今回は、培養液に対して弊社が提供する網羅的解析に適用可能な分析法および取得したデータから着目するべき成分を推定する手法である多変量解析を行った事例をご紹介します。

分析方法

培養液の構成成分を以下の方法で分析いたします。主成分の特定のためには多成分の半定量分析、注目成分の管理には定量分析など、用途に合わせて分析を実施いたします。

表1 測定成分と分析方法(定性・定量)
成分名 分析方法 定量下限 測定成分例
アミノ酸 CE-TOF/MS、CE-MS/MS、LC-MS/MS 0.05〜1.0μg/mL 必須アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン・トレオニン・ヒスチジン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・トリプトファン)非必須アミノ酸等
有機酸 CE-TOF/MS、CE-MS/MS、LC-MS/MS 0.05〜1μg/mL プロビオン酸・酪酸・乳酸・フマル酸・コハク酸・リンゴ酸・酒石酸・クエン酸等
糖類 LC/MS/MS、GC/MS誘導体化法 0.1〜10μg/mL グルコース・フルクトース・スクロース等
リン脂質 LC/MS/MS 5ng/mL PA、PC、PE等(リゾリン脂質も分析可)
陰イオン IC 10〜100mg/mL F・CI・NO2・SO4・Br・No3・PO4・酢酸・ギ酸・NH4
遊離脂肪酸 GC/MS 0.5〜5μg/mL ブタン酸・クロトン酸・カプロン酸・パルミチン酸・オレイン酸等
金属 ICP-AES、ICP-MS(70元素判定量) 10ng/mL Na・K・Mg・AI・Si・P・Ca・Fe・Cu・Ni・An・Sn等

多変量解析

培養条件の異なる3種の培養液中のアミノ酸、有機酸、陰イオン、金属元素を定量しました。どの成分に変化が見られているか把握するために多変量解析を行いました。

① 同一分析系で取得したデータの多変量解析

CE-TOF/MSで測定した、アミノ酸、有機酸を評価対象としました(図1)。

ローディングプロットPC1 グラフ1
図1 ローディングプロットPC1 ※1

② 分析法や濃度レベルの異なるデータの多変量解析

金属元素(ICP-AES)、陰イオン(IC)、アミノ酸(CE-TOF/MS)、有機酸(CE-TOF/MS)の定量値を規格化して評価対象としました(図2、図3)。

  • ローディングプロットPC1 グラフ2
    図2 ローディングプロットPC1 ※1
  • ローディングプロットPC2 グラフ3
    図3 ローディングプロットPC2 ※1

① 同一分析系で取得したアミノ酸・有機酸を評価対象とした時、PC1の寄与率は98%であり、アミノ酸、有機酸濃度の変化はPC1で説明できます。ローディングプロットPC1より、第一主成分に最も寄与する成分はグルタミン酸でした。以下、アラニン、乳酸、リシン、グリシンの寄与率が高かったです。

② 分析法や濃度レベル異なる金属元素、陰イオン、アミノ酸、有機酸を評価対象とした時、PC1の寄与率は80%であり、クエン酸、NO3が大きく寄与していました。PC2の寄与率は12%であり、NO3、システイン、リシンが大きく寄与していました。

まとめ

培養液に含まれる多くの有機・無機成分を種々の分析法を用いて半定量・定量することが可能です。得られたデータを多変量解析して生産率を左右する要因成分を発見し、問題解決に有用な情報をご提供致します。再生細胞などの医療分野・食品分野の研究・開発にもこの技術を応用していただけます。

※1 PC1、PC2は、多変量解析を行った時の第一主成分(PC1)、第二主成分(PC2)を示します。

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